手軽で簡単に作れるAMラジオ用の外部アンテナ「ループアンテナ」を作ろう
KompoZer
aomorikuma Loop Antenna No.6
ループアンテナ6号機

AMループアンテナあおもりくま6号機(頑丈/軽量/実用的)
AM ループアンテナの役割とは?
  • 高い建物が邪魔をして電波が届 き難い。
  • 好きな放送局をもっと綺麗な音で受信したい。
  • 聴きたい放送局の出力が小さい。遠くて電波が弱い。
  • かすかに聞えるんだけど・・・。もっとハッキリ聴きたい。
  • AMステレオが電波が弱くて モノラル受信しかできない。
  • もっと多くの放送局を受信したい。
  • 何百キロも離れた放送局を受信したい。
  • 海外のAM局をもっと綺麗に受信したい。
  • 放送の混信を回避したい。
  • AM用アンテナなんてものを作ってみたい。
  • 懐かしい鉱石・ゲルマラジオ用の卓上アンテナが欲しい。
  • 遠く離れたふるさとのAM局を受信できないものか。
そんな問題を一挙に解 決!?・・・できるかもしれない。

 ループアンテナの構造は非常に単純で、プラモデルを作るような感覚で誰にでも簡単に作れるアン テナです。
 作れない人は市販のループアンテナもありますのでそちらをどうぞ。
 小学校の図工の成績が普通の人なら何ら面倒な作業はありません。小学3年からハンダゴテ握ってたオラが言うから間違いない。

 簡単に言うと、ケース内側に線を綺麗に巻きながら外れないように所々を穴に通してグルーガンで留め、ハンダで配線と部品を結線するだけ。
 難しく考えちゃいけない。考えるより作ったほうが早い。

 最近の学生さんはTVよりもラジオが人気なんだってね。偉いぞ!うんうん、偉い!。おぢさんは嬉しいぞ!w
 ラジオは良いだろう? FMもいいけどさ、電波が弱いし直進できないからちょっと山奥に行くと受信できないよね。
 でもAMはすごいぞ!、青森から東海放送なんかも受信できる。ロシアの声も受信できるよ。
 もし、ニッポン放送なんかをちゃんと聴きたいって人が居たら、ループアンテナがあれば聴ける可能性はかなり高くなる。
 ループアンテナは簡単に作れて、効果は高いのだ。

あおもりくま6号機の材料など
ループ枠を既製品で間に合わせたので作業も楽チン。
頑強さと扱いやすさに於いては今回のが一番。
ケース部分は非金属であれば好きなものをデコレーションできます。

材料・工具


実体配線図

回路図
あまりキッチリと計算していないが、今回はこんな感じで丁度良く機能している。
ループも剥き出しになっていないので少しくらい乱暴に扱っても巻き線が崩れる事も無い。

 良く考えたら22~23周でスイッチを省けば530-1600くらいをカバーできるかも知れないけど、試していないので自信は無い。
 それなら、途中に ある Hi ←→ Low スイッチも省略できるかも。
 更に、ループの断面内にバリコンが入らないように取り付け位置を工夫してケースにバリコンを取り付けてしまえば バリコン BOXも省略できる。
 工夫次第でどんどん簡略化できるね。ラジオの傍で使うならL2のピックアップも不要。
 L2からのRCAピンジャックと結合ループも 不要。 金属の台や近くに金属が無ければキッチンペーパーホルダーで代用した台(ポール)も不要だなぁ。

 そんな感じでどんどん簡略化できるので、各自で工夫してくれればいい。
 最も簡単なループアンテナは、ダンボール箱やプラスチックハンガーの枠とバリン コンだけ。
 ループアンテナの設計で一番調整が難しいのは巻数だけなのだ。
 この辺の調整は微妙だから最初は多めに巻いて、少しづつ減らしていけばそのうちマッチする。
 このケースについては既製品のダイソーのものを使用したが、大きさが (31x2)+(23x2)=1周 108cmという大きさ。

 この1周108cmに対しての巻数が上記の18回(Low)と25回(Hi)または22-23回(省略)ということなのだ。
 このループアンテナは1周 の長さが長くなればなるほど巻く回数を少なくする。
 口径が大きいほど感度も上がり、小さいほど巻数を増やすが受信性能も落ちる。
 コンパクトにするればする ほど巻いている線と線の間隔が小さくなり巻線同士の間に発生する目に見えないコンデンサ「浮遊容量」が大きくなり計算も狂うしチューニングのキレも悪く なってしまう。
 理想を言えば大口径で線と線の間を最低でも2~3mm取れればもっと性能は上がる。
 さらには、ループに巻きつける銅線が太いほど電波を受 ける面積が増えるので性能が上がる。
 まぁ、太さにも限度はあるだろうから、0.35mm~0.7mmくらいの間かな)大口径にする場合は1mmくらいの 太さの銅線が使われているビニール線でも良いんじゃないかと。
 そりゃ太い導線のほうが電波を拾いやすいんで太くてもいいけど、線を太くすればまた計算が狂うからね。

 今回は頑丈さを優先したので、持ち運んだりちょっとくらい落としてもたぶん壊れる事は無い。
 もしも本格的にやりたいならもっと凄いサイトがあるから、ループアンテナというキーワードでGoogleから検索して欲しい。


バリコンBOX
ループアンテナで受けた電波をバリコン(バリアブルコンデンサ=可変容量コンデンサ)を回してラジオで受信したい周波数の電波を共振させて増幅させる。
単純なコイル(ループ)とコンデンサからなる増幅装置のコントローラーだと思えばいい。
写真はダイソー100円AMラジオの基板から全ての不要な部品を取り外したもの。
このラジオ自体、国内では到底100円で作成できるような部品構成ではないため、一時期出回った際に30個ほど買い溜めしておいた物を流用している。
いまだと300円で ICアンプ 回路を使ったものが売られているが、気分的に100円ラジオより感度を含み性能は悪い。
200円で良いから100円ラジオを再販してくれると嬉しい。

ダイソー300円 AMラジオ

300円ラジオの場合は以下の▼▲の部分がバリコンの端子になっているので、同様に流用する。


ダイソー100円 AMラジオ

100円ラジオを持っている人は以下の2連バリコンの場合は両端の端子を接続してハンダ付け。

真ん中にはもう一方の配線をハンダ付けする。




接触防止と強度アップの為にグルーガンで固めてしまおう。



フタをして終わり。今後も作る予定がある場合はついでに何個か作ってしまおう。


どうしても部品の入手に困ったら700円くらいのAMポケットラジオがホームセンターにあるから、それをバラしてしまえばいい。
え? 勿体無いって?・・・うーん。それは考え方の問題だ。
700円を犠牲にして例えば導線や巻き枠など材料費に3000円くらい掛かったとしても、それから得られる受信能力は内蔵バーアンテナのみのラジオより遥 かに高い。
どんなに頑張って内蔵バーアンテナが長い機種を買おうとも、30cm以上のループには勝てない。
20cmの市販のループはダメだよ。ミズホのUZならいいけど、ALA-10などは評判悪いから。

本格的にまともなのをいっちょ作ろうってのなら、ミズホの UZ-K1s がお手頃だ。
これなら巻き枠を自作するだけ。直径40~70cmのデカいやつを作ればいい。


作業手順(簡略)

線を綺麗に巻いていく。可能であれば線1本の隙間を空けながら巻くと浮遊容量が減って性能は上がる。
巻き終わったら解れないようにグルーガンで接着する。(接着の有無はオマカセするが接着した方が勿論強い)



端子やスイッチの取り付け。各配線は縒り合わせないこと。可能な限り隙間を空ける。
適宜、グルーガンで配線を留める。端子類、配線のショートの恐れがある場合や補強にグルーガンは威力を発揮する。
 
青い導線がL2(ピックアップ)だ。これはくっつけるより少し内側を浮かせて2周させている。
で、RCAピンジャックにハンダ付け。ここから結合ループに接続するのだ。

完成時の表/裏(これは縦置きに固定した状態)
 


これがダイソーのグルーガン(315円)とグルースティック(48本入り315円)。滅茶苦茶お買い得。



コンポやポータブルラジオの場合はループに近づけるだけで使えるので要らないが、ラジオを動かしたくない場合はL2からの結合ループを作り、ラジオに巻い たりコンポに直接接続する。
 
このL2の結合ループは、100円ソップのビデオケーブルだ。片方のピンジャクを切断してから皮膜を剥いで、導線で輪っかにしている。
これをラジオのバーアンテナに対して直角に巻きつけるのだ。写真のように巻くと内臓のバーアンテナに対して直角になる。


LoopANT 6号亜種 アルミワイヤー版(同心円巻き)2008/02/05制作


おりょ? (´・(ω)・`) ・・・周波数の上の方をカバーしないという不可思議な現象が・・・アルミって素材が原因なのか?

270/30/1.0/3.0/530で、257pF だったような。 19回と30回で切替つけたけど駄目だった。
アルミという素材って浮遊容量が増大するのかな。共振もマイルドでイマイチだな。
ひとこと・・・アルミは絶対使うな、銅線使え・・・
これ、銅線に巻きなおすしか無いなぁ。勿体無いし。6号と同じ巻き換えすれば完全版になるし。
まぁ、これも実験の一環だ。今後は銅線意外には目もくれないぞ。

ダイソー アルミ自在ワイヤー1mmタイプ 考察

(18.8m)105円  っていううか、1mmのしか無いぢゃんか。
しかも18.8mって中途半端な。

1mmで18.8mで済むループアンテナって何センチなんじゃろ。どれどれ。 
うーん、ダメだ。全然足りない。

LoopANT No.6 のサイズだと28回/1.0mm/2.00mm/530KHz/255pF/30.24m
アルミワイヤーを2本か。銅線の方が伝導率が高いから良いんだけどね。
真鍮は綺麗だし、切れにくいけど錆びやすいし、針金は手頃だけど一番錆びる。
え?、真鍮は錆び難い?

金 2.4 / 銀 1.62 / 銅 1.72 / アルミ 2.75 / 鉄 9.0 / 黄銅 5~7 
(黄銅は真鍮で、銅65%、亜鉛35% の合金。混ぜる割合で名前が変わる)

     -8
単位:10 Ωm 参考 サイト1 参考 サイト2
あら、びっくりΣ(゚(Д)゚ )! 鉄の電気抵抗高いっすねぇ。
アルミって結構な伝導率あるじゃんか。金と同じくらいという結果もある。
意外だったのは、金より銀の方が伝導率高いね。真鍮は抵抗高くて使えないな。
銅と錫の合金だけど、錫の電気抵抗が11.4もあるからか。
でも、これはアルミでループを作ってみる方法もあることを示唆しているな。柔らかい金属って電子の移動がスムーズなのかな。

2008/02/06 破壊しました。
銅線で巻きなおす予定。

LoopANT 6号B 2008/02/13改造
アルミワイヤーのループ枠を再利用して製造。

カテゴリー5のLANケーブルを解いた線材を使いました。
細いけど伝導性は抜群ですよ。

今回はL1を13+12=25巻きにしました。

ピックアップL2無しです。 ※2010/02 ピックアップをつけました
ラジオを直角に置いて電磁結合します。

途中の巻き数や素材を変更したのでまた少し性格が変わったようですね。
6号Bより6号の方が性能的に上のようです。
ちなみに、6号は単線で、6号BはLANケーブルの複線です。単線の方が計算結果が近いようですね。

ピックアップは後からコイルの上に2回くらい巻けば済むので必要に応じて。
実際に取り付けたL2は、L1の巻面にXに配置。L2は2周とした。

A4クリアケース 200円
配線:余ってる20mのLANケーブルをバラした
キッチンペーパー立て 100円
100円ラジオ(260pF)
3Pスイッチ 80円
ビニールテープ
ハンダ
グルースティック

材料はこんなものか。

道具は グルーガン ハンダゴテ ドライバー

2010/06/26 6号Bは必要とされる方に譲渡しました。
目的の周波数が増幅されて効果を得たようです。

 


L2無し磁界結合

室内でOKって人向けだ。ベランダに置くならL2での引き込みは必要だよ。

L2と結合ループ(上記ケーブル)を使用しない場合はこのような置き方にすること。
図は左に置いているが、横であれば右でも左でも構わない。
ループアンテナは志向性(一方向に絞る能力)があるので、電波が混信しやすい場所でも置く角度を変えることで混信を可能な限り回避できる。

ループアンテナは志向性があるので、ループアンテナの放送局に向けるのは左右のいづれか横方向。
ラジオの配置はループに対して90度の直角で、1~10cmくらいの位置を探って、一番電波が強い場所に置く。
ループアンテナの真正面にラジオを置いてもダメ。
ラジオやコンポが固定の場合はL2と結合ループを使用する。



こんな時に使用します



状  態 状  況 対  策 と 方 法
① と② 放送 局の方向が似ていて混信する
更に周波数が近くて混信する
ルー プアンテナは志向性が強いのでアンテナの角度を聴きたい放送局に向けることで混信を避けられる事が多い。
 それでもダメならSONYのICF-EX5をお薦めする。LSB/USBという混信部分をカットする機能を持ったエントリー向け高性能アナログチューニ ングラジオがある。
聴き たい放送局が遠くて聞こえ辛い ルー プアンテナは任意の電波を共振回路で増幅させて電波を強めます
④ と⑤ 障害 物で電波が弱くなっている
電波 の出力が弱い
そ の他 ノイズが入って聴きづらい ループアンテナやラジオを蛍光灯・ 家電製品から離してください。
ループアンテナの近くに金属があると性能が落ちます。鉄筋コンクリート住宅やの場合は窓際に移動してください。
近くにノイズの発生源がある場合は排除してください。
高圧電線が真上を通っていたり変電所、無線設備がある場合はシールドループにすると少しは改善される場合があります。
そ の他 周波数は合っているのに近い方(電 波の強い方)しか受信できない。 残念。どうにもなりません。送信施 設の方向が異なれば何とかなります。

激しくド田舎だからって何も(´・ω・`)ショボーンってなることはない。逆にド田舎の方が雑音(ノイズ)が少なくていいぞ。
でも、山の谷間だとループよりも、水平に長く電線を張る方が良い場合もあるぞ。
ループアンテナは強力だけど、場合によっては万能ではない。

都会もんならノイズ対策だな。窓際に置けば辛うじて救済できるかも知れない。
鉄筋コンクリートに囲まれている場合は基本的にAMでもチョイ厳しいぞ。
ただ、AMの電波はある程度の障害物を乗り越えたり回り込むから工夫次第で死角を克服できるかも知れない。
でも、場所によってはどうにもならない場合がある。

例えばシャッター街を通ったりすると強烈な死角が発生する。こればかりは鉄板に囲まれているゆえに電波は通らない。
鉄の箱の中じゃ無理ってこと。衛星じゃないんだから電波は真上からやってこないしね。AMは横から飛んでくる訳だし。



AM放送の重要さ

AM放送は非常に素晴らしい。FMは音質が良く、音楽好きな人にはたまらない選択であろう。
オラも車ではFMを聴いている。だけど FMは電波が直進しか出来ず、山やビルが立ち並ぶ場所は非常に脆弱である。
コミュニティーFMは隣町まで届かないので、たかが十数キロしか飛ばず受信範囲 は非常に狭い。

地元FM局が壊滅したら近隣のFM放送局はは使い物にならない。電波が被災地まで飛ばないからだ。
AMの電波は遠くまで飛ぶので隣県のAM局が放送を使えばいい。

 反面、AM放送は凄い。山を乗り越え、海面スレスレを伝播し、電波が障害物を乗り越える。そのため微弱ながらも届いてさえいればループアンテナなどの簡 単な工作で楽しむ事ができる。青森に住んでいるオラの場合、夜には中国・韓国・ロシアの放送さえ受信可能。ループで増幅すれば普通に受信可能。

 仮にパニック映画にあるような人類が滅亡するような規模の伝染病や戦争、宇宙人の攻撃、隕石の落下があった場合は、遠くまで電波を飛ばせるAMは生き 残った人間が遠く離れた仲間に呼びかける為に使用されるであろう放送手段であると考えている。もちろん、最近は人気が無いアマチュア無線もその実用性は取 扱の簡単さからAM放送並に重要であると思える。

 とても古臭く、技術的にも単純なこのAM放送であるが、このAM放送(中波/MW波)は実用的には最強の放送手段であるのでは無いだろうか。


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