遠くのラジオ放送を聴こうじゃないかという趣味だ。
遠くとはどれくらい遠くなんだろうという人も居るでしょうが、あおもりくま
2号と6号を使えばポケットラジオでAM神戸と東海ラジオが。あと、ロシアの声も聴けます。近いところでは東京のAFNや茨城あたりのAM局が問題なく聴
けます。オラのハンドルネームはあおもりくまですから、もちろん、青森県から聞けるという意味です。
ただ、これは夜に限ったことなんですけどね。日中は電波が届かなくても夜になれば
電離層の関係(後述)でどこの
都道府県でも、とんでもない遠くのAM局を受信できるようになります。 ただし、電波が弱かったりしますが。
でも、少しでも聞こえるというのはチャンスです。なにせ、弱くても電波が届いているんですから。 その電波を増幅して通常聴取可能なレベルまたはそれに近
い状態にするのがループアンテナやロングワイヤーアンテナであり、その性能を単独で有しているラジオがBCLラジオ(遠距離受信用の超高性能ラジオ)で
す。
地元のラジオ放送が聞こえるのは当たり前ですが、それでも難聴取地域もあります。やたらと僻地だったり、ちょーっと山奥だったりすると電波
の死角に入ってしまい、近いのに聴き取り辛いよー!ということはありませんか?。 それも聴き辛いのなら増幅できます。 程度や状況、立地、気象現象に
よりますが、少なくともループアンテナでは微弱な電波を増幅できます。
もうひとつ。夜になると昼は聞こえなかった放送局がたくさん入ってくるのですが、特に中国語と韓国語(ハングル)が凄いですよね。聞きたい放送局と周波
数が近いものだから音声が混信しまくっている地域もあるでしょう。
この場合、ラジオ本体に内蔵されているバーアンテナよりも指向性が強いループアンテナを使えば混信を解決できる可能性もあります。
かといってこのページで紹介するループアンテナは万能ではありません。 BCLラジオにはこの混信している電波の周波数の一部を切り出して受信する機能が
ありますがループアンテナにはその機能はありません。ループアンテナは内臓バーアンテナよりもコイル断面積が大きいことによる電波の受信能力が高いという
ことと、同調式ループアンテナが特定の周波数を共振回路(音叉のように同じ周波数で共振増幅される効果をイメージしてください)を用いて特定の周波数を増
幅するだけの回路であること。たったそれだけです。
もしもラジオに酷いノイズが入るようでしたら外に出てみてください。木造モルタルの家であれば家のどこかでノイズが無く受信できる場所があるかもしれま
せん。その場合は、普段ラジオを受信する場所の近くに
ノイズ
の発生源があると考えましょう。ノイズはループアンテナで取り除けませんが、自室内のノイズ発生源の対策や、自宅周辺にあるノイズ発生源の位置の
確認くらいはできるはずです。それを知るだけでも今までよりクリアにラジオを受信できるかも知れません。
これらを含めて、ラジオの遠距離受信を行なうには、それら電波の特徴や指向性といったものから、ノイズの発生源対策からはじめ、最終的には弱い電波を増
幅して遠くのラジオ放送を受信しようという目的に達することができます。
ちなみに、本ページで作成するループアンテナで求められる電気回路のレベルは「厚紙とアルミ箔、乾電池と豆電球とクリップで懐中電灯を作れ」程度の配線
知識および、プラモデルを一人で作れ程度の器用さが必要になることがあります。
特性:AMとFMの違い
<障害物競走ではAMの勝ち>
AMラジオは障害物に強い。強弱の変化が少ない。
FMラジオは障害物に弱い。ビルの陰や山間の谷間などで突然、受信状態が悪くなる。
<送信設備の規模>
AM局の場合は
巨大なアンテナが必要だ。
スタジオはコンパクトにできるけど、送信所の鉄塔が巨大なのだ。
それが倒れちゃマズイので、四方にアンカーを打って支えている。
アンテナ自体も何十mと高い。それを支えるワイヤーとアンカーのために広い土地が要る。
それでもAMの電波は障害物に強いので、弱まる場所もあるが、微弱ながらも到達していることが多く、わずかに聞こえるのであれば増幅することで簡単に解
決したりもする。
FM局は送信設備が非常にコンパクトである。
スタジオがビルの一室で、送信所はそのビルの屋上って事もできる。
開けた土地では田んぼの真ん中の道の駅がコミュニティーFMってケースもある。
青森で言うとFM じゃいごがそうだ。田舎舘の道の駅の中にあるコミュニティー局。平野のど真ん中にあるからかなり遠くまで電波が飛ぶ。
設備がとっても小さく、アンテナも小さいが、大抵は出力も小さい。
山とかビルで簡単に電波が遮断されてしまう特徴がある。
ただ、1000m級の単独峰のてっぺんにミニFM局を作ったら・・・見渡せる限りのすごい放送エリアになってしまう。
電波の直進性においてはFMも結構やるのだ。
推らく、青森県の中心にある八甲田の大岳あたりにFM局を作ったらそこから見渡せる平野部全てで受信できるだろう。
でも、そこから見えないビルの裏側や山の陰はアウト!
<音質はFMの方が勝ち>
FMの方が音が良いのは、音声の周波数が高いからだ。
AMでは14KHzくらいかな。電話よりすこし良い程度。。FMではその倍の音質になる22か24KHzという所だろう。CDはFMのほぼ倍の
44KHz音質だ。
でも、AMも最近では受信機の性能が良いのでイコライザーなどでシャープ←→ソフトのような音質切り替えができる。
言い換えればFMはシャープな音だけど、AMは耳に優しい音とも言えなくもない。
特に田舎の海沿いや山間部を走るとき、AM放送はよく飛ぶので有り難い。
このようにAMとFMでは一長一短がある。いくら音質が優れていても聴えないのではしょうがない。
いくら飛んでも混信やノイズが多くて聴き取り辛い。
でも、AMにはFMにはない楽しみ方がある。
それが「めちゃんこ電波が遠くまで飛んでしまう」ということだ。
遠距離受信は夜に行なう
夜に遠くのAM局が聴こえるのはこういうことだ。
理由
昼と夜の電離層の違いによる電波の吸収・反射の影響で電波の飛ぶ距離が変わるのだ。
特徴
電離層のE層は電波を反射し、D層は電波を吸収しやすいらしい。反射したとしても手前に落ちる。飛距離は望めないのだ。
図では直角に曲がっているが本当は曲線を描いている。大気の状態が不安定だと、電離層も揺らいでいるため音が大きくなったり小さくなることもある。
これがフェージング現象というやつだ。小刻みに音が揺れるのは大気が揺れているからなのだ。
昼と夜の電離層に違いがある
昼は低いD層が邪魔をするけど、夜はD層が消え、より高高度にあるE層で反射し、より遠くに電波が飛ぶらしい・・・程度で覚えとけばOK。
難しい話は書いたけど長文になりすぎてバッ
サリ消しました。詳
しくはここ
夜になると韓国、中国とかロシアなんかの放送がガンガン入るよね。
E層より低く電波を吸収しやすいいD層が夜に消えると反射しやすいE層に電波がぶち当たる。
ぶち当たった電波は遥か遠くの国の地面めがけて落ちてくる。
つまり地平線の遠く向こうの国の電波が、宇宙と地球の大気の間で反射して落ちてくるのだ。
AMを良く聴くリスナーならみんな知っている。「中国語と韓国語の受信(混信?)がスゲーヨー!」というアレです。
住んでる地域によっていろんな国のAM放送が聞けると思うけど、沖縄とかなら東南アジアの放送も入るんじゃない?
AMラジオのアンテナはどこ?
AMラジオは本体の向きを
変えると感度が変わる
ラジオにはアンテナが付いているが、あれはFM用のロッドアンテナである。
カードサイズのラジオはFMがイヤホンのコード。AMはやはり極細バーアンテナを内蔵している。
だから、AMの聴こえが悪いからとアンテナを伸ばしたり、アンテナの向きを変えたって駄目。
ラジオを自分に向けて正面に置いたとき、ラジオの中に入っているバーアンテナは、水平に内蔵されている。
そのバーアンテナに対して放送局へ垂直方向に向きを変えてやるのだ。
ラジオ(これはポケットラジオ)の内部は実際にはこのようになっている。
このラジオの場合は最上部にバーアンテナが水
平に内蔵されている。
左上の白っぽい四角の部品はバリコンである。
このバーアンテナは、長いものほど受信能力が向上する。
国内最長のバーアンテナを持つ Sony ICF-EX5 で、18cm。
防災ラジオ Panasonic の RF-U99 (生産終了)で14cm。
野外作業用ラジオ SONY ICR-S71 で12cmだ。
一般的なポケットラジオの場合は5~6cmくらいで、ホームラジオだと10cm以下が普通。
一般的なラジオの用途としてはそのくらいの長さが普通で、遠距離受信用には設計されていない。
ラジオといってもその目的や構成部品。受信部の性能、回路の設計によって「その辺の放送を拾うだけ」という程度のものから、「届いてる電波はできだけ聴け
るようにしたる!」というものまで様々。
もちろん、高ければ高性能で安ければソコソコというのが大半だけど、やはり高ければ何でも良いという訳ではないので、より多くの人からアドバイスを貰うこ
とに徹しよう。
高いの買ったのにダメだった・・・というのではお金が勿体無いからね。
ただ、一般的なラジオでもループアンテナや、ロングワイヤーアンテナなどの外部アンテナを作ってラジオへ電波を受け渡してさえやれば遠距離受信はできる。
ロングワイヤーアンテナは、場所を必要とするので、自室やマンション・アパート暮らしには向かない。
ベランダいっぱいに張るという方法もあるが、周囲のノイズをモロに拾って無い方がマシということも・・・
ループアンテナなら窓際や、木造モルタルの家であれば室内で使えるし、向きを変えることで最適な受信を得られる。
ラジオ受信機そのものの性能も重視する必要はあるのだけれど、ラジオのどの部品がどんな仕事をしてて、どの部品の性能によってどうなるのか。
色々と情報を拾っておけばそれだけ目的のラジオを探しやすいかも知れない。
ラジオ受信の大敵「ノイズの発生
源」
ラジオは電波を受信して放送を音声として聴く装置だ。
このラジオの受信に邪魔になるのが身の回りにある電磁波だ。
部屋の中を見て、どれがノイズの発生源になっているか分かる?
- 携帯電話の充電器と携帯電話そのもの
- 各種ACアダプター
- TVゲーム機
- パソコン
- TVやパソコンのモニター
- ビデオデッキ
- 蛍光灯(蛍光管)
- モーター(冷蔵庫のコンプレッサー/石油ファンヒーター/ドライヤー/洗濯機/換気扇/扇風機など)
- 電子レンジはマイクロ波発生装置だから電磁波をバンバン出してるよ。コンビニの真上の部屋とかって頻繁にノイズが入りそうだよね。
- 隣の住人がトランスミッターを使っているとかっていうのもありそうだけど、今のトランスミッターはFMだしあまり強い電波は出していない。
家の外にあるノイズの発生源とは何?
- 変圧器(電柱のトランス/変電所/発電所/鉄道の変電施設)
- 電線/高圧電線(高圧鉄塔)
- ネオンサイン(蛍光灯と同じで電子を飛ばして光ってるからね)
- 違法無線(近くを通るとTVにまでノイズが入る。違法に出力上げてるトラックとかダンプってスゲーむかつく!)
- かなり近くに送信施設がある(近すぎると近接する周波数が潰れたり、電波が強すぎて他に影響がある)
- トラックやダンプカーなどに見られる違法な移動式大出力無線基地局
とまぁ、色々あるようで。
どれもこれも変圧器や安定化電源やら電子銃やら放電装置、駆動装置など電磁波を出しやすいものだ。
こういった電磁波に囲まれて生活しているので、昔ほどラジオの受信環境は良くない。
それでも極力ほかへの影響が出ないような配慮はされているけど、身近なところでのノイズ源っていうのはアルミホイルで包むとかアースを取るなどで何と
かできる部分と、どうにもならない部分があるから個別に対策を取っていくしかない。
ラジオの向きはそのままで、横にすーーーーっと移動したら放送アンテナとラジオの間にあるノイズ源が直線状から離れることもある。
家の中でもノイズが多いところと少ないところがあることにも気付くだろうし、家の中よりも窓際やベランダのほうが感度が良いこともある。
あと、ノイズを出しやすい機器にはアースをつけたり、電源コードにノイズ対策用の
フェ
ライトコアを挿むことだって効果があるかも知れない。
いくら探しても見つからない場合、例えば集合住宅には建物の壁に巨大な配電盤と電気メーターがついてる。
自分の部屋の壁の外にこいつがあったりしたら最悪だ。実は前に住んでたところがそうだった。
3Fの階段の踊り場にラジオを持っていったら、聴きたい放送が全部クリアに聞こえて泣きそうになったこともあるよ。「自分の部屋・・・最悪じゃん」って。
AM遠距
離受信にはループアンテナ
ループアンテナのループは「ループする」の「ループ」で、グルグル巻きのアンテナ。回路自体もコイルがバリコンから出てバリコンに戻っている。
ラジオに内蔵されているバーアンテナの直径の1cm前後に比べ、ループアンテナのコイルの巻線断面(直径)は桁違いに大きいため受信能力が高い。
この直径が大きいほど電波を効率よく捕まえられるのだ。(限度はあるけど1辺2mくらいが限界かな?)
バーアンテナやミニコンポ付属のループアンテナでは充分な性能を得られないことがあり、そんな場合には非常に強い味方になる。
高性能なBCLラジオにも外部アンテナ端子がある。この外部アンテナ端子は別売りや自作のアンテナを繋ぐ為のものだ。
一般的に長く張った導線を使うロングワイヤーアンテナがもっとも簡素だが、百数十メートルとか、その半分または4分の1の長さとなるため実用的ではな
い。
ループアンテナは卓上やベランダなどに置いて使えるコンパクトで高性能なアンテナなので移動や、向きを変えることも容易。
しかも同調式(共振回路)は非常に強力な武器である。
理科の復習「電気と磁場と信号と
コイル」
コ
イルと電流の関係
コイルは電磁波(電波)を受けると電気が流れる。
逆にコイルへ電気(電気信号)を流せばコイルは電磁波を発生する。
コイルに磁石を抜き挿しすると電気が発生するし、コイルの端っこに鉄芯を置いて電機を通すと鉄芯はコイルの中に引っ張られる。
昔は釘に銅線を巻いて電磁石をよく作ったものだ。
電磁石と砂鉄、クギなどを理科の実験でやった覚えがあるだろう。
電気的なスイッチにはこの電磁石を使ったものがあってね。
リレースイッチなんかがそうだ。微弱な電気で大電流の回路のスイッチを電磁石でON/OFFするパーツである。
直流電流を流すと直流モーターは回る。
直流モーターを回すとモーターは発電機になる。
これはよく実験をTVなんかでやっているのを目にするだろう。
電気で力を生むのに、磁石とコイルを使う。 力で電気を生むのにも磁石とコイルを使用する。
交流発電機は回すと交流を発生するが、交流発電機に交流を流しても回らない。
機構が違うからね。タイミングが合えばどうだか分らないけど、直流と交流には電位がそのままか、逆転する波かの違い。
交流電流は、電位が発電機の回転に応じてプラスとマイナスが逆転する。
理科では直流と交流について学校で教えると思う。
今回関係してくるのは交流や電波(信号)という電位が反転している電気信号である。
重ねた2つのコイルAとBがある。
Aに流すとBにも電流が流れる。Bに流せばAにも流れる。
ループアンテナで
はL1コイル、L2コイル、結合ループ、結合カップラが関係する。
コイルの巻き数を変えると電力を変化させる事ができる、例えばこのコイルAとBの巻き数を変えれば自転車のダイナモ(6V)で白熱球(100V)だって光
る。
一定の直流電流をコイルAに流すだけでは流した瞬間しかBには変化が現れない。
電位が常にプラス・マイナスが反転しつづける交流電流をAに流すとBには電流が流れる。
これはトランスという交流電気の変圧器に使われている仕組みで、AとBのコイルの巻き数を変えることで、Aから入った電圧とBから出てくる電圧は違う。
交流とトランスにつ
いて
電柱の上についている灰色の鉄のバケツは送電線を通ってきた高圧の電流を家庭用の100Vまで変圧(減圧)するトランスだ。
変電所では高圧鉄塔(約2万5千ボルト程度)からの交流を巨大なオイル冷却装置のついたトランスで減圧して送電。
更に家に引き込むときにトランスで減圧さ
れる。電気を高圧で送るのにはロス(損失が少ないという理由があるからだ)
直接線は繋がっていないのだが、近接するコイル2つの片方に変化する電流が
断続的に流されるともう一方にも電気が発生する。
ループアンテナのL1とL2。L2と結合コイル。L1とバーアンテナの電磁
結合。結合カップラとバーアンテナは近接するコイルに相当する。
これらが配線で直接繋がっていなくても電気的信号の受け渡しができるのはそ
のためである。
交流による送電は、エジソンを超える超人的頭脳を持った「発明超人 ニコラ・テスラ博士」によって提唱され、直流を支持した努力の天才「発明王 トーマ
ス・エジソン」をも打ち負かした不遇の超天才発明家だ。
このテスラ博士は無線による送電システムの構想や光線銃の案件などが有名である。
無線による送電はとんでもない実験結果になったが、この話は有名なので文献を漁ってみると良い。
実際には交流の父と呼ばれるように交流電流に非常に貢献した人物である。
実在するものでは、テスラコイル、磁束密度の単位「テスラ」が博士の名を冠している。少し前までは磁束密度に「ガウス」が使われていたが、今は「テスラ」
が単位である。
電波とラジオ
ラジオの場合、大気という空中線を通って皆の周りに飛んでいる微弱な電気信号だ。
これをバーアンテナやループアンテナなどのコイルで信号を拾って放送を受信しているのだ。
電波は電磁波でもあるため、コイルによって拾う事ができるし、コイルによって発生させることもできる。
電波は空中を飛ぶ電気信号であり、音声情報の乗った電気信号である。
これを効率よく捕まえて増幅してやれば、ラジオはもっとハッキリと聴き取れるようになるのである。
バーアンテナでは微弱で捕らえきれない電波を、直径の大きなコイル(ループアンテナ)で大量に捕まえるのが今回の目的。
捕まえた電波はループとコンデンサの間を行き来して共振する。
するとループ1(L1)に共振した強い電磁波が発生。それをループ2(L2)がピックアップして(拾って)ラジオに(結合ループを使って)受け渡す。
ようするに、ループアンテナは電波を効率よく拾ってラジオへ受け渡すための外部アンテナと思えば良い。
一部のコンポやラジオには外部アンテナ端子がある。これはループアンテナや、ロングワイヤーアンテナとアースを繋ぐための入力端子である。
通常のコンポには専用のループアンテナが付属しており、これはメーカーや機種によって専用の規格になっているため、他社のアンテナを繋いでもうまく機能し
ない。
以下の図はコンポに付属しているループアンテナの実態配線図のようなもの。
コンポに付属しているループアンテナは、そのコンポ用に設計された特性を持つL1なのである。
もしもコンポ付属のループアンテナを無くした場合、手作りも可能だと思うが、サイズや巻き数が違うと性能を発揮できないので取り寄せた方がよい。
大きさや巻き数をうまく調整しないと適合しないので、無くした場合は作るよりも取り寄せた方が早いかも。数百円から千円チョイだと思う。
ただ、付属のループアンテナの性能が悪いと感じたらループアンテナは苦労してでも作る甲斐はある。
コ
ンポに付属するループアンテナを、自作したループアンテナの内側に電磁結合させ、L2として使う方法だってあるし、ループアンテナにL2をつけ、L2から
の線をコンポ付属のループアンテナに結合コイルで電波を受け渡す方法もあるだろう。損失が少ない方を選ぶのなら、ループのL1からコンポのループに受け渡
した方が効率が良いかもしれない。
もしも自作ループアンテナをベランダや窓際に置いて、コンポまで距離があるようなら、L2を配して同軸ケーブルにて部屋まで引っ張り、同軸ケーブルの先端
に結合コイルを作ってコンポのループアンテナに受け渡してもいい。
目的の放送局(周波数)を捕らえ
る「チューニング(選局)」
さて、今度はチューニングだ。
特定の周波数を捕らえるには2つの方法がある。
ひとつは、その周波数にピッタリ合うようにコイル(バーアンテナ)を作ることだ。
しかし、ラジオ1つで1つの放送局を聴くというのは非常に効率が悪い。
そこで聴きたい放送局の周波数を変化できるようにすれば、1つのラジオでたくさんのラジオ放送を聴ける事が望ましい。
チューナーに当たるのが可変容量蓄電器「バリアブルコンデンサ(通称:バリコン)」の登場である。
バリコンのバリはバリアブル(可変)。コンはコンデンサ(蓄電器)の意味。
(音量を変えるツマミは可変抵抗器と言って、電気抵抗を変化させる役割を持つ)
バリコンは一時的に電気を蓄える部品で、容量を可変できる。
ただ、一時的といっても本当に小さな電気をとても短い間しか保持できない。
コンデンサは2枚の金属板は絶縁体を挟んでいて変化の無い一定の強さの直流は通さない。
しかし、コンデンサは交流や変化する電気信号を通すという性質もある。
単位はF(ファラド)、バリコンではpF(ピコ・ファラド)で、コンデンサでは、pFとμF(マイクロ・ファラド)、電解コンデンサではμFである。
コンデンサには、色々なタイプがあって、ポピュラーなコンデンサ(セラミックコンデンサやフィルムコンデンサなど)、電解コンデンサ(高品位なものではタ
ンタルコンデンサ)、そして、ここで扱うバリアブルコンデンサ(更に小型の物はトリマーコンデンサという)がある。
このバリコンは、コイルが受けた電波(つまり電流/電気信号)を受けては放出するを繰り返す。
2極の金属板は重なる面積を変化させること(つまり可変)ができ、一時的に溜められる電気の容量を変化させることができる。
容量が大きいとそれだけ溜められる容量は大きくなり、容量が小さいと僅かしか溜められない。
この性質を利用してコイルとコンデンサのループで起きる電流(つまり電気信号)の周期(振幅)を変化させる。
当該の周波数をきっちり測ってループ(コイル)を作り、そのコイルに合うバリコンをつければ、カバーできる周波数を変えられる。
国内では531KHzから1602KHzまでをカバーすれば良い。 まぁ、カバーする周波数には多少の余裕はある。522~1700KHz前後くらいか
な。
放送されている電波を捕らえる(目的の周波数に同調する)と、コイルとコンデンサは共振する。
電波を受けては放出を繰り返すこの回路の周りには電磁波(増幅された電波)が発生する。
この電波はコイル周辺に発生する磁場であり電波である。
ここでの目的。ループアンテナによる電波の増幅ともピックアップ。そしてラジオへの受け渡しがその役割だ。
ループアンテナって何?
①電磁波(電波)を受けたコイルL1に電気が発生
②コンデンサに蓄積
③コンデンサが電気を戻す
④コイルに流れた電気が電磁波を発生
↑①へ戻る
を永延に繰り返す(ループする)という仕組みだ。
電気が流れるのはその周波数にヒットしたときに受ける電波。つまり、放送局が空中に発している特定の周波数の電波のことだ。
L1でこの一連のプロセスをループしている間、コイルL1は電波を受けつづけている以上、受信と磁場の発生を繰り返している。
L1にはバリコンの容量に応じて特定の周波数の電磁波(つまり受けているのが電波なので電磁波は電波でもある)を周囲に発生。
L2というコイルは、その磁場を受けてL2コイル内に電気信号(つまり電波でもある)が発生する。
この電気は上記①~④の共振で起きた増幅された電波。それをL2側のコイルキャッチしてラジオにカップラや結合ループ(ラジオに数回巻きつける)を使って
受け渡す。
だからL1とL2。ピックアップと結合コイルは直接的な接触をしてはいないが、磁場によってコイル間で電気信号の受け渡しが行なわれている。トランスの役
割 と同じ。
昔、バケツラジオというゲルマラジオで
スピーカーを鳴らそうってのがあって、検波した音声信号を最終的にトランスで昇圧させてスピーカーが鳴る電 力を得ているのだ。
ゲルマラジオは電池を使用しないラジオを究極まで簡素化したもので、大昔はこういうラジオが普通に売られていた。
ちょっとここで復習しよう。
- ラジオ局で音声を電波にして発信する
- 目に見えない空中線を電波という信号が伝播する。
- ループL1が受信して共振する
- ループL2が拾う。
- 結合コイルでラジオのバーアンテナへ受け渡す
- ラジオで同調してダイオードで検波されて音声信号になりラジオから音声が出る。
目に見えない部分で電気信号と電磁波(電波)が受け渡されている。
特にループのL1からラジオのバーアンテナまでは直接的な電気の流れ道は無いが、コイル同士の磁界の結合によって電磁波という形で信号の伝達が行なわれて
いる。
とどのつまりは巨大な同調回路
もし、ラジオを作るのであれば、L1とバリコンの両端にイヤホンをつけ、イヤホンとループを繋ぐ配線の間にダイオード(検波器)をつければそれでラジオに
なる。
ループアンテナ自体は、ラジオの中に入っているバーアンテナとバリコンを巨大化して受信性能をアップした回路と思っても良い。
どちらもコイル状のグルグル巻きの終端はバリコンへ接続されている。
だから、ループアンテナに検波器のダイオードとレシーバーを繋げばラジオはガンガン鳴るのだ。
たかだか直径1cm、長さ5cmくらいの内蔵バーアンテナに比べて、ループアンテナのコイル自体が馬鹿みたいに大きいんだから当然である。
この大きな同調回路(共振回路)で受け取った強力な電波を、L2で拾って、AMラジオのバーアンテナに結合コイルで受け渡しているに過ぎない。
構造自体はコイルとバリコンと銅線の輪っかが2個と結合ループの1個で合計3個。
非常に単純である。電池すら使用していない。回路というにもあまりにシンプルな構造だ。
だが、この非常にシンプルな構造の機器はそのシンプルさからは想像もできないくらい凄い結果を得ることができる。
このループアンテナの設計で一番気をつけないとならないのは、コイルの直径とバリコンの最大容量で共振できる周波数の上限下限が変化する。
このコイル直径・巻き数(長さ)・コイルに使用する電線の太さや巻き間隔・バリンコンの容量という部分だけは結果に影響するので手抜きはできない。
そこで、ループアンテナは事前にその設計が必須となるのだ。
ループアンテナは4タイプ
構造的ナ違いと、回路的な違いの計4タイプある
<回路>
①L1で拾った電波をバリコンで特定の周波数に同調してラジオに受け渡す(同調式)
②L1だけで構成され、とりあえず拾った電波を、そのまんまラジオに受け渡す(非同調式)
<構造>
A:1周の長さが同じ巻き方のL1(並行巻きと言う)
B:蜘蛛の巣のように平面的で渦巻状に巻くL1(スパイダーコイルと呼ばれる)
だから ①A ②A ①B ②B
の4タイプとなる。
結合カップラは、ラジオのバーアンテナに磁界結合する部品。結合ループも同じ役割をもつ。
AMPはアンプのこと。
別にアンプは無くても良いが、アンプをつけた場合、素通りさせるOFFやアンプ回路で更に信号を増幅させるONのスイッチをつけたほうがいい。
なぜなら強すぎる電波を更に増幅すると音が割れたりすることもあるから。
通常巻き
(並行巻き)のほう
は同心円、巻き直径が同じループ。
スパイダーは蜘蛛の巣のよう
に中心から外側に向かって巻いていく(外から中心に巻いても良い)
計算は通常(並行)巻き方のほうが単純。スパイダーだと中心に行くほど1周の長さが減るので面倒。
でも、インテリア兼用として考えればスパイダーの方がカッコイイのであるが、強度に問題があるのもスパイダーの欠点。
巻き線外周が外部からの接触などによって変形するので干渉しないようにガードをつけるか密閉する必要が出てくるのだ。
熱で圧着するシーラーを使えば面白いものができると思うよ。下敷きみたいにペラッペラのやつね。
吊るすなり貼るなり好きにすればいいし、適当なものに立ててもいい。
案としては、シーラーの片面に両面テープをXに張って、テープのところで90度曲げながら貼り付ける。
必要分のコイルを巻いたらL2を巻いて、L1とL2の配線をシーラーの外に出す。
シーラーを閉じて圧着用の機械に通せばペラペラのループアンテナができるってこと。
これは理論上は簡単で美しいが、線を張っていく根性と根気と忍耐が必要になると思われるのでオラは気が向かなければ絶対にやりたくない。
でも、これを簡単にできる方法があれば大量生産だって可能かも知れないよ・・・
というか、思いついちゃったんだけどwww
適当なベニヤ板①(厚い)に、ベニヤ板②(薄い)を重ね、折り曲げる部分に相当する穴を開ける。(穴はX配置になるはずだ)
ベニヤ②は貫通。ベニヤ①は半分くらいの深さにドリルで。
その穴に竹串などを突き刺す。竹串を2cmの長さで全部均等に切断する。
ベニヤ②の穴を少し広げて竹串をすいすい上下できるようにする。少しだけきつ目にね。
竹串にコイルL1とL2を巻いていく。(仮に巻き線作成板と呼ぶ)
シーラーの片面にXで両面テープを張る。(板のXと同じ位置にね)
巻き線作成板をひっくり返して両面テープにコルを貼り付ける為、ベニヤ②でコイルを押し下げる。
両面テープにコイルが粘着したところでシーラーをずれないように閉じる。
コイルの入ったシーラーをシールマシンにかけて圧着する。
( ´(Д)`)y━~~~ どうですか! このアイディア♪ あおもりくまループアンテナ9号としていけそうだな。
材
料について(既存のラジオを分解してバリコンを流用する)
バリコン容量のおおまかな目安なんだけど
訪問者から市販ラジオのバリコンの容量を聞かれたので目安ね。あくまでも目安。
ポリバリコンには以下のタイプがある。
左のバリコンは良く見る市販のバリコンですが、だいたい160pFくらい。
バリコンの容量が小さすぎるとあまり効果が期待できませんが、作れないこともない。
真ん中のバリコンは標準タイプの260pFのバリコン。
両端の②同士を結線して、から①と②から配線を取る。
右のバリコンは市販のポケットラジオに使われているタイプ。
330~350pF程度のポリバリコンと思われ。
市販のラジオからバリコンを取る場合は容量が大きいかも知れないということを注意。
また、これら①や②の極性はあまり気にしなくて良い。
端子同士の結線だけ間違えないようにする。
両端同士と真ん中同士と覚えれば問題ない。
ラジオからポリバリコンを外すには以下の道具が必要。
・半田ごて(基本中の基本です。電子工作にはかならず使う)
※安くてもいいよ。使ったらコンセント抜いてね。火事になるから。
・半田吸取り器(慣れない人には便利。半田吸取り線でもOK)
※暖めた半田を息で吹き飛ばす方法もあるが、必ず目を保護しなさい。
・ラジオペンチ(部品を挟んだり、結線した線を押し潰したり余分な結線を切断する)
・組ドライバー(298円くらいのホムセンターで売ってるやつ)
※100円ショップのはすぐに壊れるぞ。
うちのサイトに来る質問で多いのがバリコンが手に入らないってことです。
安いポケットラジオなんかは上記の330pFくらいのやつが使われているので、容量不明のバリコンはあとで対応できるようにタップを取っておけばいい。
そうすれば大抵の周波数をカバーできますんで。
タップって何?
タップとは、このようにコイルの途中に端子をつけて、任意の巻き数ごとに引込み線を作ること。
図ではワニクリップを使っていますが、100円くらいでロータリーSWも買えますので予算に応じてどうぞ。
ダンボール箱なんかで試作する時などは、こうしておけば長い線が無くても、手持ちのバリコン(VC)が何pFか分らない時でも曖昧に作れる。
この曖昧さが必要になることもある。何事も計算どおりには行かないのが手作りの醍醐味だ。
タップを使うってのは使っているときに対応する周波数によってループの巻き数を変えられるのだ。
多く巻けば低い方。少なければ高いほうの周波数に寄る。タップ無しのものよりは融通が利くって点でこっちの方が遥かに便利だ。
ラジオからバリコンを流用する方法
ラジオを流用する場合は基板からポリバリコンを外すが、それができない人は基板のパターンを削ってしまう方法がある。
①バーアンテナからの配線を毟り取るか取り払う。
②基板のパターン(配線)をカッターや彫刻刀で削り取って独立させる。
これでバリコンの各端子はラジオの回路から独立した状態になる。
こんな感じにするといい。
これはあくまでも例だけど、どれも似たようなものだ。
ここで、端子を独立させるという意味が分からない人は・・・困ったな・・・( ´(Д)`)y━~~~ ぬぅ・・・
もう、ミズホ通信のループアンテナキットUZ-K1sを買ってくれ。
生理的にこういうのが全くダメってことはあると思うので、一から説明してらんないっす。
こ
ことか、ここと
か・・・。
ミズホのキットは巻き枠を作るだけで配線は付属の説明書が図解で載ってる。
線は専用のバリコ
ンボックスに挟むだけでいいからね。工具なんかも一切要らない。
失敗してもインターホンコードや電話線を買ってくればいいだけ。
バリコンボックスを使いまわせばループだけいくらでも制作できる。
逆に言えば、ここのページを読まなくたって作れるってことだ。